- 2018/08/01
Summary
羽ばたき運動中の外骨格の変形を明らかにするため,羽ばたくエビガラスズメの胸部背面を高速二次元レーザー変位計で走査し,三次元形状の再構築を行った。
昆虫の羽ばたき運動は,神経系が飛翔筋の収縮を制御することで生じるが,多くの昆虫では胸部外骨格の変形を介して翅を動かす間接飛翔筋が発達している。このことから胸部外骨格は,筋収縮という入力に対して,それ自身の物性や構造を利用して飛行に適した羽ばたき運動を出力する役割を担っていると考えられる。羽ばたき運動中の外骨格の変形を明らかにするため,胸部を固定した状態で羽ばたくエビガラスズメ(Agrius convolvuli)の胸部背面を高速二次元レーザー変位計で走査し,三次元形状の再構築を行った。上段左:エビガラスズメ成虫(左:雄,右:雌)。同右:羽ばたき運動中の形状計測。胸部背面が光っているのは計測のためのレーザーの反射。下段:再構築した羽ばたき運動中の胸部背面の三次元形状。
東京大学先端科学技術研究センター 安藤 規泰
(出典: 学会誌「比較生理生化学」Vol.35 No.2 表紙より)