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コロニーの外を警戒するオオシロアリ(Hodotermopsis sjostedti)の兵隊

  • 2017/01/07

Summary

オオシロアリは体サイズが大きく飼育が容易であるため,兵隊分化をもたらす生理機構や,兵隊で見られる高い攻撃性や防衛行動の神経基盤を探る材料としてよく用いられている。

 シロアリは,アリやハチとは独立に複雑な社会性を獲得した昆虫である。コロニー内では異なる表現型を示す個体(階級,カースト)がタスクを分担しており,このような分業がコロニーの生産性を高めている。なかでも兵隊は防衛に特化したカーストであり,発達した武器形質と高い攻撃性を示す。

 オオシロアリ(Hodotermopsis sjostedti)は日本最大のシロアリであり,日本では鹿児島県以南に生息する。兵隊は発達した大顎で外敵に咬みつく。オオシロアリは体サイズが大きく飼育が容易であるため,兵隊分化をもたらす生理機構や,兵隊で見られる高い攻撃性や防衛行動の神経基盤を探る材料としてよく用いられている。

コロニーの外を警戒するオオシロアリ(Hodotermopsis sjostedti)の兵隊

名古屋大学大学院理学研究科 石川 由希

 

(出典: 学会誌「比較生理生化学」Vol.33 No.4 表紙より)

 

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